フィネガンズ・ウェイク3pの続き1

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さっそく始める。

nor had topsawyer's rocks by the stream Oconee exaggerated themselse to Laurens County's gorgios while they went doublin their mumper all the time →この文かなりわけわからん。norは「~もまた~ない」で、topsawyerは「木挽きのかしら」(トム・ソーヤの意味もあるだろう)。rocksは普通に考えれば岩だし、宮田でもそう訳しているけど柳瀬ではなぜか「団地」(手元の辞書ではそんな意味は確認できない)。stream Oconeeはまあオコニー川でいいし宮田でも柳瀬でもそうだ。exaggeratedは「誇張した」というような意味。しかし宮田でも柳瀬でもそうではなく、両方「膨らむ」というような意味になっている。themselseもよくわからん。themselvesなら「彼ら自身を」というような意味だろうが、なぜこう変形してあるのか。フィネガンズウィキに頼ったら「theirselves」のことだとか書いてあったが、これもweblioに載ってないし、私の手に余る。Laurens Countyは「ロレンス郡」で一致を見る。gorgiosという綴りは辞書にはないが、gorgeous(立派な、ゴージャスな)をほのめかしていると思われる。しかし柳瀬の方にはゴージャスなんて書いてないし、宮田でも同様である。両方共にあるのはgeorgiaジョージアである。アイルランド首都ダブリンの綴りはdublinで、ここではdoubleダブルと掛けことばになっている。mumperこれがまたわからない。weblioではmumpは「ぼそぼそ言う」だがそんな訳語は両者にない。mumpsならおたふく風邪だがそんな訳語も両方共にどこにもない。宮田では「非ジプシー」というどこから出てきたのかわからない単語があるし、柳瀬ではmumperを訳してあるのかどうかもわからない(ジョージア州を常時阿集と訳してあるがこれがmumperと関わりがあるのかどうかもわからない)。
この文全体の両者訳を出すと、宮田「オコニー川わきに木挽き親方の岩が積み上がってジョージア州ロレンス郡となり、ダブリン、ダブリンと非ジプシーの人口が膨れていくのもまだのこと」柳瀬「オコーネー河畔の頭ソーヤー団地がうわっさうわっさとダブリつづけ、ローレンス郡は常時阿集にふくれあがったのも、もうまだだった」両者とも意味がまるでわからない上に単語の結びつき方が食い違っている。
強いて不備な私訳を出すなら、「オコニー河畔で木挽き親方の岩が、彼らがダブリンにいつもつぶやいて行ったあいだ、彼らのロレンス郡のジョージアに膨らんだということもない」みたいになるがやはりよくわからない。

nor avoice from afire bellowsed mishe mishe to tauftauf thuartpeatrick →avoiceという単語は未確認だが、avoicedなら「発言した」。afireは「燃えて」。bellowsは「ふいご」、bellowsedだから「ふいごで風を送られた」とでもなるのか。mishe misheはわからないがmishmashなら「ごたまぜ」だ。tauftaufこれはわけわからん。thuartもpeatrickも辞書にはないがpeatは泥炭である。また両者ともパトリック(ぺトリック)の意味を見ている。
宮田「情熱の火に煽られた声が、われを洗礼せよ(ミシュミシュタフタフ)、汝ぺトリック、と言うのもまだのこと」柳瀬「遠炎の一声が吾め割れ目とのたまわって汝パトリックの泥誕を洗礼したのも、もうまだだった」全然違う文章になっているからもうなんか嫌になってくるな(笑)。nor avoice from afire bellowsedまではまあ「風を送られて燃えた声も~ない」と取れるが、そのあとの部分はマジでお手上げである。ミシュミシュタフタフなどという言葉があるのかもわからない。

not yet,though venissoon after, had a kidscad buttended a bland old isaac→venissoonこれまたわからん。地名のヴェニスっぽくもあるが両者訳ともにヴェニスなんて言葉はない。venisonは鹿肉のことで、柳瀬の方は一応「鹿るのちに」とあるが宮田にはどこにもない。kidscad、kidは子供という意味もあれば子ヤギという意味もある。cadには下劣な男という意味があり、kidskinなら子ヤギの皮。柳瀬では「山羊皮息子」とあるが、宮田では「若造」としかない。buttendという単語は辞書にはないが、buttなら「ヤギなどが角で突く」である。しかし宮田では「bat」にしてしまっている。blandは「穏やかな」、柳瀬では「盲碌(もうろく)」、宮田では「老耄」とある。
宮田「もう間もないことながら、若造が老耄アイザックをバットで追い出すのもまだのこと」柳瀬「鹿るのちに、山羊皮息子が若下司のいたりで盲碌伊作爺さんを食ぶらかしたのも、じきにまだだった」まあこの辺は両者似ているとも言えなくもないが…

感想:今回はわからないだらけで、ダジャレのうまいところとかもあまりなく、かなりきつかった。