フィネガンズ・ウェイク3pの続き3

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the fall(雷鳴:省略)of a once wallstrait oldparr is retaled early in bed and later on life down through all Christian minstrelsy.→雷鳴の音が各国語の雷という単語で構成されていて、日本語の「かみなり」も「kamminarro」という形で入っているわけだが、どの単語がどの国語かとかいちいち調べるのも大変なので省略する。wallstrait、「ウォール街」ならstreetでないとであり、straitは海峡である。ストレート(まっすぐな)も入っているかもしれない。parrはサーモンの小魚、オールドパーなら有名なウイスキーの銘柄。retaledは「語り直される」。minstrelsyは吟遊詩人の詩歌。
宮田「落下(雷鳴省略)。かつてのウォール街の老いた若鮭(オールドパー)の落下は、早くは寝物語に、のちにはクリスチャンの吟遊詩人によって語り直される」柳瀬「転落(雷鳴省略だが、宮田訳の雷鳴とは明らかに文字が違っている。(宮田の雷鳴の音はほぼ原文の丸写しだが柳瀬のはそうではない)なにか訳者による意図がありそうだがわからないとしか言いようがない)、旧魚留街の老仁の尾話は初耳には寝床で、のちには命流くキリシ譚吟遊史に語り継がれる」だいたい同じような意味とも言えるが、柳瀬訳では酒のオールドパーの影は消えている。鮭の影は「魚留街」や「尾話」に残っているか。

the great fall of the offwall entailed at such short notice the pftjschute of Finnegan,erse solid man,that the humptyhillhead of humself prumptly sends an unquiring one well to the west in quest of his tumptytumtoes→entailedは「必然的に伴う」。at such short noticeは宮田では「即座に」でいいとして、またわけのわからん「pftjschute」ってなに?
フィネガンズウィキにはシェン・フィネガンの墜落を示す「イデオフォニックワード」とか書いてあって、「イデオフォニック」とは要するに擬音語のようなものらしい。そんななんの根拠もない思いつきの造語を書き込むんじゃねえふざけてんのかって言いたくなるが、まあいい。erseは「ゲール語の」という意味。ハンプティは卵人間のハンプティダンプティのことでまあいいだろう。humselfは宮田ではどうも黙殺されているらしいが、柳瀬では「食むしゃらに」という形で一応残っている。humは「ぶんぶん言う音」であって食い物のハムはhamなんだから疑問が残る。himselfという意味は宮田では「彼の」で残っている。prumptlyはuがoになってpromptlyなら「敏速に」なんだがuになっているのでplum(プラム、スモモ)を想起しないでもない。しかし両者訳ともにプラムなんて単語は皆無である。unquiringこれは「問いかける」という意味のinquiringから来ているのだろうが、なんで「un 」になっているのかはさっぱりわからない。unquietとかが入っているか?questはドラクエでお馴染みの「探索」である。tumptyもよくわからんがtumpはweblioで調べると岩とかがぼこっと現れているのを指すようで、たしかに宮田訳でも「小山」である。tumはtummy「おなか」という幼児語らしい。
宮田「壁の大落下は即座にアイルランドの堅物男フィネガンの落下を引き起こし、彼の瘤(ハンプティ)山頭は知りたがり屋をただちに小山(タンプティ)の爪先探しへと西に走らせる」柳瀬「離壁の大潰落はたちまちにしてごっ墜男フィネガンのずってーん落を巻き込んで、頭んぐり身が食むしゃらに浅索好きを西へと井戸ませ、無垢っちょあんよを探しにやらせる」宮田の方では井戸なんて単語はないがwellは井戸の意味もあるので納得できる。小山(タンプティ)は柳瀬にはないが、「むくっ」と訳してtum(幼児語)からくる「無垢」とかけているのだ。

and their upturnpikepointandplace is at the knock out in the park where oranges have been laid to rust upon the green since devlinsfirst loved livvy.→upturnpikepointandplaceは宮田では「ひっくり返った足の行く先」、柳瀬では「ひっくり肢ってん場っ点は」。the knock out in the parkは宮田では「通行税取り立て門は公園のノックゲート」(なんで通行税取り立て門なのかはわからん)、柳瀬では「公園の隅ロッキー」。まあノックアウトはたたきのめすとかいう意味なのでグロッキーだろうな。で、oranges have been laid to rust upon the greenこれはわりと意味が通じている文だが、宮田では「オレンジがグリーンの上に横たわっている」柳瀬では「オレンジたちが寄りどりち緑に赤さびるままにい草っているところ」。宮田では単純な文だがrust錆が消されている。その点柳瀬は赤さびるとか言っているから正解かもしれないが、「ち緑」とは「血」かもしれないし、「草っている」は「腐っている」のほのめかしだろう。ちなみに宮田訳注にくわしく書いてあるが、オレンジとグリーンはアイルランド国旗の色であり、グリーンは土着アイルランド人、オレンジは17世紀からのイギリス植民者で、国旗のもうひとつの色である白は両者の宥和を表す。また初期植民者の中ではオレンジやグリーンなどの色で集団の区別をしていたし、1795年に北アイルランドで組織されたオレンジ党を指すかもしれない。
since devlinsfirst loved livvy宮田訳では「デヴリン人が初めてリヴィを愛して以来」、柳瀬訳では「どぶリンの初(う)いとしいリフィーがく寝って以来」。devlinはweblioでは苗字の一つとあった。livvyはリフィ川のことらしい。まあ柳瀬の「く寝って」は相当な意訳だが一応両者ともに意味はだいたい共通してるわな。
宮田「ひっくり返った足の行く先、通行税取り立て門は公園のノックゲート、そこではデヴリン人が初めてリヴィを愛して以来、オレンジがグリーンの上に横たわっている」柳瀬「するとそのひっくり肢ってん場っ点は公園の隅ロッキー、どぶリンの初いとしいリフィーがく寝って以来、オレンジたちが寄りどりち緑に赤さびるままにい草っているところ」

さて、これでまずヘキトウの3pを読み終えたわけだが、たしかに一応スジのようなものは見える。しかし尋常では考えられないほどいろんなものが重なって語られているので異様な文章になっている。しかし英語原文で読むとやはり日本語訳だけで読むよりはたしかに理解が容易な気はする(気がしているだけかもしれないが)。わりと自信が付いてきたぞ。